ボーダーフォンといえば浦和

時流の流れとはまったく無関係に管理人が興味のある曲を興味を持った時期に書き連ねていく毎日ですが皆様如何寝過ごしでしょうか。今日取り上げる曲はこれ、セックスマシーンの1stフルアルバム『ふられ気分のロックンロール』に収録されているJフォンはボーダーフォンになりました」です。


ふられ気分のロックンロール

ふられ気分のロックンロール


↑うわっ、ジャケットはじめてみたけど、微妙だー。
えーと、実は僕、このセックスマシーン(なんて名前だ)というバンドがどういうバンドなのかということは一切知りませんで、それどころかこの「Jフォンは〜」以外の曲はひとつも聴いたことがなかったりします。そもそも僕の周辺にこのバンドを聴いているという人もいませんし、音楽情報誌や音楽番組でその存在を知ったわけでもない。僕がどういった経緯でこのおかしなタイトルの曲を知るに至ったかというと、これが実に運命的な出逢いがあったわけですよ。どういう出逢いかというと、つまり、


カラオケの歌本をチェックしていたところ、偶々曲名が目に入った。


ドラマティック! ドラスティック! ドラえもんスティック! もうね、曲名見た瞬間に「う、歌ってみてぇ」と思っちゃったんですよ。どういう曲かは知らないけども、きっと素晴らしい曲に違いない、と。
まあこう書くとなんだかおかしな話っぽく聞こえるかもしれませんが、基本的には小説や漫画をタイトル買いしたりCDをジャケ買いしたりグラビアアイドルの写真集をアイドルの名前買い(シンプルな漢字の名前がより買い)するのと何ら変わりません。同じだ!


とにかくまあそういう感じで、iTune Music Storeを駆使して1曲だけ単体購入。バンド名からしてどうにもSEX MACHINEGUNSを連想させるこのバンド、きっとキワモノ系のぶっ飛んだ曲なんだろうなと思っていたのですが――聴いてみたら案外真っ当じゃないですか。ストレートなパンクロックに載せて恋愛の刹那さを歌っている――え! Jフォンボーダフォントとか言ってるのに恋愛の歌なのか!?


そうなんですこの曲は恋愛の歌(失恋?)なのです。Aメロでは彼女との思い出を歌い、Bメロではその思い出を感傷的に懐かしむ自分を歌い、サビではそうした古傷を胸に抱きながらも前を向いて歩いていこうというポジティブさを垣間見せる、そういう歌なのです。ボーダフォンは何処にいってしまったんだとご心配のそこの貴方、大丈夫大丈夫、ボーダーフォンは貴方を見捨てません。なんといっても二人のボーダーを越えてますからね。


問題の「Jフォンはボーダーフォンになりました」はサビ前の歌詞に出てくるんですが、この使い方が正に絶妙。簡単に「Jフォンはボーダーフォンになりました」なんて言うけれど、じゃあJフォンがボーダーフォンになるまで一体どれだけの歳月がかかったのかって話ですよ。


Wikipedia --- 「ボーダーフォン」
J-PHONE 1997年 → Vodafone 2003年


つまりこの歌詞には、「六年もの歳月が流れた」という意味が隠れているのです。彼女と過ごした楽しい月日からもう六年も経った――そういう歌詞なのです。なんと捻りの利いた歌詞でしょう。さらには恋人との思い出を語るのに「イソジン」「ポカリスエット」「an」といった商品名を持ち出したりと、一風変わったセンスを見せてくれます。そういうところで他との差別化を計ろうとする意欲は紛れもなく買いです。終盤に「なってねーよっ!」と思わずつっこんでしまう小ボケも混ぜつつ、スカッと爽快な気分で歌い切れるこの曲が、今ならiTune Music Storeで150円か200円!(どっちだったか忘れました) これはお買い得だー。


とりあえず管理人は他の曲も聴いてみようと思います。



参考:新WEB JUNGLEのインタビュー記事
http://www.jungle.ne.jp/catalog/interviews/sexmachine.html