J-ラップの申し子

Freak Out  (CCCD)

Freak Out (CCCD)

  • アーティスト: アルファ,DJ SUZUKI
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/04
  • メディア: CD
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何故これの前のシングルであるSPEED STAR」「不知火」に、この後のシングルである「惚れたぜHarajuku」「渚の投げKISS」「PASSION」がカラオケに入っていて、この曲だけが入ってないんじゃーっ!と大声で泣き叫びたくなるくらい良い曲であります。CCCDiPodに入れることができず嘆いていましたが、先日iTune Music Storeにて再発見、あと一週間もすれば同曲を収録した最新アルバムが出るというのに、待ち切れずに購入してしまいました。その後三日間くらいはヘビーローテーション三昧ですよ実際の話。
僕がアルファを知ったのはアーケードの音ゲーポップン・ミュージック』からで、ここで坪井雄(TSUBOI)が「大見解」という曲に「Des-ROW feat. TSUBOI for ALPHA」で参加しています。歪んだギターの音色が絡み合う重低音トラックと、その斬新かつ意味不明なリリックが産み出す圧倒的破壊力にすっかり打ちのめされた当時の僕は、大急ぎでCD屋に駆け込み早速アルファのCDを注文。数日後、無事に入手できた珍妙なタイトルのCDをラジカセに入れてみて流れてきた音楽が「♪あいあむドーパミン」だったので激しく萎えました。その後すぐに持ち直しましたけど、いやそれにしてもイメージ違いすぎ。後にPVを観て再び萎え。また復活。
まあぶっちゃけ、僕はアルファには不満があるとです。アルファのライミングは本当に日本屈指の高レベルにあると思うのですが、如何せんサビのメロにキャッチーさ・パンピーを惹きつけるカッコ良さがない。「エクスタシー温泉」は確かに面白い曲ではありますが、これでブレイクするかっちゅーたらしないわけですよ。まあ彼らがある種の迎合的ブレイクを望んでいるかといえばそれは絶対ないだろうなと思うんですけど、でもしかし、それだけの自力を持っていながらそのポジションに留まり続けるのはまったくもって勿体ないオバケですよ。「モアモア」とか「39 BPMみたいな曲もあるわけだし、せめてアルバムはアッパーでタイトでダイナミックでリズミカルでクールでキッチュで何やらそれっぽいカッコイイ系の曲と、如何にもアルファといった風のコミカルで独自性に富んだ曲とを、半々とはいわないまでもせめて3:7くらいの比率でやって欲しかったわけです。
――と、そこにリリースされたのが2枚のシングル。SPEED STARであり、このFREAK OUTでした(すいませんその間の「不知火」はパスで)。これはカッコイイです。前者はストレートにカッコイイ、後者は一風変わっているけど明らかにカッコイイ。アルファに欠けていたものがバッチリ埋立地です。「Freak Out」はトラック自体は決してアップテンポではありませんが、一定のリズムで淡々と刻まれるベース音に静と動のメリハリを利かせた超高速ラップ、そしてサビメロの浮遊感に満ちたミキシングが最高な至高のトリップナンバーであります。無論、こっちの路線だけやっているとそれはアルファであってアルファでなくなってしまうのですが、でもドーパミン路線だけではやっぱり物足りないので、こっちの路線も忘れずにお願いします。


そして、ホント、アルバム出るんだからお願いします。>各カラオケ会社様